タイ経済、前年度比3.3%以上の成長(EIC)

国家社会経済開発庁(NESDB)はタイの前年同期比(2017年度第1四半期GDPと昨年度の2016年度第1四半期を比較)で3.3%成長、もしくは季節調整済みの前四半期比(2016年度第4四半期の数値と比較)で1.3%上昇したと発表しました。




商品輸出の分野は前年同期比で2.6%拡大しました。これは、過去四年間でもっとも高い成長率です。様々な商品分野において成長の回復があり、中東に向けての車の輸出産業を除くほとんどの輸出市場において、成長が安定している事が背景にあります。

今年度の第1四半期においては、世界的に原油価格が前年同期比で57%上昇しました。それによって、ゴム、ゴム製品、精製燃料、そして化学・プラスチック製品などの石油関連製品の価格が急上昇しました。

加えて、世界的に製造業部門が進歩したことにより、電子工学や電子製品などのタイの主要産業に対する需要が拡大ししました。
 
サービス部門における輸出においても、政府による違法ツアー取り締まりから回復の兆候がみられました。前年同期比で3.2%と、0.4%の成長にとどまった2015年度と2016年度間の前年同期比から急激に上昇しました。

第1四半期における観光客数は季節調整済みの前四半期比で12%増加しましたが、同時に中国からの観光客は32%増加しました。短期間の下落からの回復を反映した数値です。

民間消費の拡大はひきつづき偏りがありました。

民間消費は前年同期比で3.2%拡大しました。前期比では縮小した耐久財の消費量が大きく拡大したことが背景にあります。新製品が多く売り出されたことによって、自家用車の販売は前年同期比で13.9%上昇しました。その新製品の中には、不調だった昨年度末から今年度はじめに新販売促進計画をするため遅れて発売された製品もありました。

しかしながら、民間消費の拡大は耐久財に集中していました。なぜなら、購買力は特定の世帯でのみ上昇したからです。非耐久財と半耐久財の製品は比較的安定していました。今年度の第一四半期において雇用水準が前年同期比で0.6%下落し、給与は0.7%減少したことを考えると、全体的な世帯収入が最大限に回復したわけではないからです。




インフラ整備への投資の成長率につづいて、公共投資は前年同期比で着々と成長しています。どちらも今年始まり、現在も進行しています。

しかしながら、民間投資は前年同期比で1.1%縮小しました。生産能力が過剰だったことにより、製造業部門への投資が停滞した結果です。
 
工場の建設は前年同期比で11.6%縮小しました。設備と機械の消費が前年同期比で0.3%縮小しました。ほかの建設も縮小し、政府によって小区域単位で投資を増やす公共計画が行われた昨年度は高い基準だったのに対し状況は悪化しました。

タイ経済は2017年度、前年同期比で3.3%拡大し、継続的な拡大をみこんでいます。

主要な原動力:
特に地方の小規模な計画への投資を通じて経済成長に割り当てるための、2017年度中間期に決議された1兆900億バーツにおよぶ予算案などの政府による景気対策の影響は後半期において出てくると予想されています。政府は政府による福祉事業にタイの低所得者層から適任者を登録しようと計画していて、この計画は10月から出資される予定です。
最初の車購買計画の借金という重荷がなくなったある世帯層による購入力が高くなっています。今年度の後半期にその効果はよりはっきりとみられるでしょう。農業に従事する世帯もまた、去年よりも上昇した農産物の価格に支えられて上昇するでしょう。一方で、雇用状況は今年の後半期における政府による景気対策によって良くなりそうです。そして、
観光部門における収入は今年度も成長しつづけるでしょう。というのも、昨年度は全体的に低かった観光客数ですが、前四半期においては増加傾向にあったからです。

しかしながら、商品輸出の分野に関しては、これからは停滞していくかもしれません。石油価格の値上がりは収まると予想されていて、商品輸出を妨げるでしょう。