タイのバーツ通貨が強く、ドルに対してバーツ高が二年近く続いています。

バーツ高の影響は少なく、極端な変化にも対応する準備はあるとタイ中央銀行が報告しました。

現在、タイのバーツ通貨が強く、ドルに対してバーツ高が二年近く続いていますが、観光業に打撃はなく、輸出に対してわずかな影響が見られるだけであるという公式見解がタイ銀行によって今週金曜日に発表されました。


中央銀行の金融市場部門を率いる副総裁のワチラ・アロムディー氏は、バーツがタイの経済ファンダメンタルズや近隣地域の通貨にあわせて変化していると、ロイター紙のインテビューで述べました。

中央銀行は、バーツの相場が特定のレートにあることを目標にはしていませんが、通貨の動きが激しすぎる場合は対処する準備があるとも彼女はいいました。

「私たちが見るのはバーツの相場そのものではなく、バーツの相場が経済ファンダメンタルズや近隣地域の状況に沿って変化しているかどうかなんです。」

 

為替レートよりも貿易相手国の経済状態のほうがタイの輸出産業に打撃を与えているとワチラ氏はいいます。

「為替レートの変化によって、輸出者の利益率に多少の影響はあるかもしれませんが、大した影響はありません。輸出相手国のGDPのほうがよほど重要です。タイの輸出競争力を左右します。」と彼女は主張します。

全体としては、来訪者数がいまだ上昇しているため、バーツ高による観光業への影響は全くないと彼女は述べます。

観光業がタイの経済生産の10%以上を占めるのに対し、輸出は3分の2を占めます。

それでも、東南アジア地域で二番目に大きい経済規模をもつタイの成長は近年、近隣地域に後れをとっています。

今年度、バーツはドルに対して5.5%上昇し、金曜日の時点で、バーツは一ドルあたり33.95バーツで取引されており、東南アジア地域で最も評価のいい通貨になりつつあります。

アメリカの監視リストに加えられる事を心配しているかについて聞かれると、ワチラ氏は

「タイはアメリカの主要な取引相手ではありませんよ。」と答えました。

経済的が安定していたことと、収支が黒字で対外債務が少ないことによってタイには外国資本が証券と株の形で30億も流入しました。

「我々は短期間の資本流入を注意して監視していますし、もし資本流入によって市場が変異しても、我々にはそれに対処する手段があります。」と彼女は言いましたが、どのように対処するのかについては言及しませんでした。

4月以降、BOTは短期間の資本流入を抑えようとして、一週間あたりの債権の発行をおさえてきました。

BOTは今月、ビジネスをしやすくするために外国為替のルールを緩和しました。

2006年に厳しい資本規制が始まりましたが、これによりタイの評判は落ち、株式市場は15%の急落を経験した。2006年の資本規制はのちに取りやめられましたが、この後から、タイは取引に関して慎重になっています。